広告イイね!:世界の広告大集合!“D&AD2021 受賞作品年鑑”が無料公開中

ロンドンに拠点を置く非営利団体D&ADが運営する“D&ADアワード”

世界的にも著名な広告賞の一つであるこの“D&ADアワード”から、今年も無料で利用できるデジタルリソースとして“D&AD2021作品年鑑”が公開されています。昨年初めて公開されたデジタル年鑑は、世界カ国からアクセスを得て好評を博し、広告年鑑のデジタルシフトとしても成功を収めました。70,000人を超えるユーザーうち、20%近くは若いクリエイティブのアクセスだったそう。

世界中から集められた珠玉の広告作品は一見の価値有りです!

目次

D&AD賞とは?

D&ADは、デザイン、広告、コミュニケーション、テクノロジー、フィルムにおける独創性を促し、支援することを目的に創設されたアワード。特徴的な“ペンシル”と呼ばれるトロフィーは、クリエイティブの最高峰として世界中のクリエイターを刺激しています。

元来広告年鑑というものは、印刷物で百科事典のようなサイズがあり重いもの。(そして高価)それが今では、デジタルで無料公開されているというところに驚きが隠せません。もちろん美しく仕上げられた紙ものには替えがたい魅力もありますが、総アクセス数の成功を見ても世界中の興味を惹きつけるものであることは間違い有りません。

D&AD2021広告年鑑

オランダのデザインエージェンシーである「Studio Dumbar」が手掛けた今回の広告年鑑は、単純なWebサイトにならないよう、本のページをめくるような使用感、新しい発見などに溢れた体験を詰め込んだデザインとなっています。

各作品のインサイトやポイントについてのインタビューはビデオでも格納されていて、クリエイティブのヒントが散りばめられています。競合の事例調査に活かせるだけではなく、後述の「D&AD New Blood Awards」と呼ばれる次世代のクリエイター紹介もされるなど、経験豊富な視点と斬新なアイデアの両面から知見を深めることが出来ます

また、新しく追加された機能の一つである「My Curation」では、自分自身のお気に入りを保存・シェアが可能になっていて、より一層デジタルシフトがなされた構成となっています。

数字で見るD&AD2021

今年は、“eコマース”や“ゲーミング”など新しい分野でのプロモーション活動が活発になったことを受け、2021年のD&ADアワードでは、過去最多となる42のカテゴリーが設定されました。これら旧来の広告とは違う分野からの作品も、最終選考にそれぞれ10作品以上の受賞があることからも、いよいよ新しいプロモーションのメインストリームとなった感があります。

総エントリー数は24,922作品と、昨年2020年のエントリーから15%以上も増加しました。内、受賞作品は全体のわずか6.6%となる664作品が受賞。

最終候補として残った565の作品から、ジャンルに合わせて様々な「ペンシル(トロフィー)」が贈呈されました。2つのサイドハッスルペンシル、9つのネクストペンシル、5つのフューチャーインパクトペンシル、390のウッドペンシル、190のグラファイトペンシル、63のイエローペンシル、2つのコラボレーティブペンシル、0のホワイトペンシル、3つのブラックペンシルが授与されています。 

世界76カ国からのエントリーがあり、39カ国がペンシルを獲得し応募した国の51%が受賞したこととなります。また、ショートリスト以上に入賞を果たしたのは、53カ国となり応募した国の70%がショートリスト以上の賞を獲得したことになります。

D&AD賞をはじめ、カンヌライオンズの様なグローバル広告賞の作品集では、世界中の表現・空気・ユーモア・文化に富んだ作品に触れられる事も魅力のひとつです。日本では出来ない手法などもちろんありますが、最前線のクリエイティブ溢れた刺激的な作品は見ていて飽きることが有りません。

D&AD New Blood Awards

“D&AD New Blood Awards”という、世界中の学生、新卒者、新進クリエーターを対象とした賞も、広告・デザイン業界でのキャリアをスタートさせるための賞として注目されています。若い世代に向けて、広告やデザインの仕事を始めるきっかけとなるよう、実際のクライアントが設定した実際の課題を、業界のトップクリエーターが審査します。

今年は、17の有名ブランドが様々な分野の広告を募集し、世界65カ国、約6,000人の応募者から3,000点を超える作品が集まりました。その中から、世界各国から集まった150人の審査員によって、26カ国から186人の新世代の広告クリエイターが選ばれました。

応募数も規模も本当にグローバル。

更により多くの若者を対象に、公平な学習体験を提供することを目指し、受賞者には“New Blood Academy”と呼ばれるクリエイティブブートキャンプが用意されています。このブートキャンプは、世界最大の広告企業グループである“WPPグループ”とのパートナーシップの下これまで8年間開催されています。

こういった試みは、これまで閉じた専門領域として見られていた広告業界が、今ではオープンな世界にとなり、YouTube/TikTok/Instagramと、SNSで誰しもが発信者に成り得ることの象徴でもありますよね。

Googleとの連携:D&AD Shift with Google

先述のNew Blood Academyに加えて、業界主導の無料ナイトスクールである”Shift with Google”も開催されています。

この“Shift with Google”は、「才能は一部の大学からしか生まれない」という従来の常識を覆し、大学の学位や業界のネットワークを持たないものの、クリエイティブなキャリアをスタートさせたいと考えている優秀なクリエイターに向けて提供されています。

これまでに142人がShiftプログラムを受講し、ニューヨークとロンドンの卒業生の60%がプログラム修了後6カ月で有給のクリエイティブな仕事に就いています。来年、「Shift with Google」はシドニーで初めて開催され、今後3年間でさらに2都市で開催される予定です。

また、Googleの支援を受けて、世界レベルの学習への容易なアクセスを目的とした新しいデジタルトレーニングツールとカリキュラムの導入も予定されているとのことです。更に、2021年には、業界主導の学習体験である「Shift Studio」も導入されるなど、どんどんと世界規模でクリエイティブ×教育の門戸が開かれていっています

来月の“広告イイね!”は、D&AD特集

せっかく旬な広告年鑑のリリースもありましたので、来月は少し“D&AD賞”の広告年鑑から特徴的な広告紹介をしていこうかと思っています。各審査員のコメントなどと共に、世界中の広告クリエイティブに触れる面白いきっかけとなれば幸いです。

世界の広告もまた面白い!ではでは!

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